【正しいキズの治し方】第1回:傷に対する考え方

kizu2
傷(きず)は、日常いろいろなところで発生しますね。

その傷の程度も、ちょっとしたすり傷から皮膚が深くきれた傷までさまざまです。
転んでできた傷もあれば、病気のためにいつの間にかできた傷、
手術でできた傷もあります。
程度や原因は違っても、体を覆っている皮膚が傷んだ状態はすべて傷です。
つまり、やけども傷ですし、褥瘡(床ずれ)も体にできた傷の一種です。

日ごろ何げなく見ている皮膚も,人体のかなりの割合を占めている臓器で、
たくさんの重要な機能を持っています。
それは、体全体の被覆と保護、体温の調整、皮脂や汗などの分泌、
栄養物の貯蔵や合成、触覚や痛覚など感覚の受容器としての機能などです。
傷が治るのに時間がかかればかかるほど,この機能障害の影響が強くなります。

一番の問題は,被覆と保護機能の消失です。

傷がなおること、医学的には創傷治癒をいいますが、
私が外科医になった1986年の時点といまの傷に対する考え方は、
大きく変わっています。

当時は、外科での手術の後のお腹をきった創部の消毒は、
イソジンを傷にたっぷり塗っていました。
それが、新人の重要な仕事でした。

今は、手術後に消毒はほとんどしなくなりました。
180度かわっています。

それは、傷の治り方が解明されてきたからです。

手術のときに、手や腕を洗っているシーンをテレビで見たことがあると思います。
あのとき使っているお水は、滅菌水と思われている方が多いと思いますが、
確かに10年前以上は滅菌水でした。
滅菌水をつくるには非常に高いコストがかかっていました。
でも実は、現在はみなさんが家庭で使用している水道水なのです。